漫画家になる

作品にダメ出しをされた時、心にどう折り合いをつければいい?

「ダメ出し」
それは、漫画家になる上で避けては通れないものです。「そうは言ってもいざダメ出しをされたらどうしても凹む、落ち込む」という方に向けて、この記事では少しでも楽に捉えられる考え方を解説していきます。

ダメ出しについて

漫画家に限らずどんな職業や立場においても、「ダメ出しされること」をポジティブに捉えられる方は少ないと思います。

そもそもダメ出しは、反省点や欠点・弱点を指摘して改善を促すものです。作品をより良くするという意味では、ダメ出しはされてしかるべきものです。

最初から完璧なものはありません。どんなにいい作品でも、必ずひとつは改善点があります。

ダメ出しはされて当然のものです。

とはいえ──

そうは言っても、いざ言われたら凹むよ~~。

正直めっちゃわかります……。
自分も数え切れないダメ出しを受けていますが、未だに慣れません。何度経験しようと普通に凹みます。

「頭ではダメ出しは必要なこととわかっていても、心が追いつかない。やっぱりどうしても落ち込んでしまう」という気持ちも非常によくわかります。

「自信を持って提出したものがダメ出しばかりだった」というケースも、経験したことがある方いらっしゃるのではないでしょうか。

管理人もあります……。

「全く気にしないことは出来ないから、せめて少しでも楽に考えたい」そう思ったことは一度や二度ではありません。そんな管理人が実践している「少しでも楽に考える方法」を解説していきます。

ダメ出しされた時、どう心に折り合いをつけるか

1.納得出来るダメ出しか否かを考える

ダメ出しをされた場合、作業としては基本的に修正するしかありません。しかし、納得出来るダメ出しもあれば、納得出来ないダメ出しもあると思います。

納得出来るダメ出しだった場合、「確かに!」と思って前向きに修正出来るパターンと、自分の至らなさに落ち込んだりするパターンがあります。前者の場合は「落ち込み」よりも「納得」が強いため、折り合いをつける必要はないと思います。それでは後者の場合、どう折り合いをつけるのか。

①手を動かす

前提として納得のいくダメ出しなので、修正すること自体に問題はないはずです。まずは無心に、指摘された通りに修正してしまうのもひとつの方法です。

この「無心に」が大事です。
余計なことを考えずに、ひたすら手を動かしましょう。

「単純に作業が進むため、達成感が得られる」という点でもオススメです。

②「今の自分には出来なかっただけ」と思う

人間は出来ることも多いですが、出来ないことも多いです。「勉強になった」「今後に役立てられる」と無理矢理納得させて、悩むのを終えるというのも手です。

知らないこと、したことのないことは出来なくて当然です。もし知識以前の単純なミスであったとしても、それはそれで学習になります。「次からはここに気をつければいい」と糧にしてしまう。そうやって自分を無理矢理にでも納得させて、スッパリ悩むのをやめるのが大事です。

③寝る

時間に解決させる方法です。個人的には一番これが効きます

コツとしては思い返さないこと、距離を置くこと。
一晩寝ると案外気にならなくなったりします。もし眠れないのであれば、楽しいことをしたり笑えるものを観たりするのも手です。こういった一時的な現実逃避は嫌煙されがちですが、心の健康には思っていたよりも効きます。

「悩むのをやめる」「思い返すのをやめる」は大事です。いずれの方法でも、一度無理矢理でもいいので、その件について考えるのをやめてみましょう。

上記3つは絶対に効く方法ではありませんが、①については普通に作業が進んでいるという利点。②は今後に活かせるという利点。③は休息を取れるという利点があります。どれかひとつでも実践する価値はあると思います。

そして納得のいくダメ出しという前提なので、最終的に作業を行うこと自体に問題はないでしょう。

では、納得出来ないダメ出しの時はどう考えていけばいいのか。

2.ダメなのではなく、今のトレンドやニーズではないだけ

描きたいものが今のトレンドやニーズではない。そのため、そこを修正するためにダメ出しをされる。結構よくあることです。この場合、作品を大幅に変更するケースが多いです。

考え方が古いってこと……?凹むなぁ……。

極端な思想でない限り、「単に今の時代には合ってないだけ」と捉えた方がいいでしょう。実際に「昔に流行ったもの・古いもの」であったとして、流行は流れるもので、また流行ることもあります。

トレンドじゃないから悪いというわけではありません。

ただ、編集側もビジネスとして漫画家とやり取りをしています。トレンドでないものを売り出すのは非常に難しく、どうしても売り上げの見込めるトレンドへと修正を促すしかありません。

でも「今『○○』は流行ってないから難しい」って言われたのに、他の漫画家さんは商業で描いてるんだよね。どうして?

今の流行でなくても「その漫画家さん自体に人気がある」もしくは「WEBでその漫画がバズった」などの実績があるためです。または、数年前に流行ってそのまま継続して連載しているため、今のトレンドではないけど、その作品自体の人気が継続してるからという場合もあります。

実績があれば、トレンドでなくても描けるってこと?

絶対と言うわけではありませんが、描ける確率は上がります。

今のトレンドではないからと作品丸ごとダメ出しをされた場合、他の出版社に持ち込むのもひとつの方法です。ただ、同じ系統や読者層の雑誌だと、同様のダメ出しをされる可能性が高いです。そういった場合、流行をあまり意識していない独自路線を行く雑誌に持ち込んでみるのもアリです。

また、ツイッターなどに描いたものを上げてみて、反応を見るのもひとつの手です。そこで反応が良ければ実績になりますし、今ひとつであれば、やはりトレンドでないのは弱いんだと肌で感じられます。

トレンドやニーズを理由にダメ出しされた場合、漫画家の問題と言うより、正直タイミングの問題です。自分ではどうすることも出来ないことも多いため、「仕事だから」と割り切るのも大切です。

ある程度のトレンドやニーズを取り込んでいくことは、今後のためにもなります。時には「仕事だから」「勉強になった」と割り切り、修正していくことも必要です。

3.雑誌の意向にそぐわないだけ

「今のトレンドとニーズ」は仕事としてやっていく上で、どうしても意識をしていく必要があります。出版社も基本的にはその「トレンドとニーズ」を元に判断をすることが多いです。

……なのですが、

稀ではありますが、トレンドに関係なく、編集部的に「そのジャンルはうちの雑誌、直近で失敗してるので……」というその雑誌特有の意向というケースもあります。こればかりはもう、こちらとしてはどうしようもないので、「俺は何も悪くねぇ」と強く思いましょう。マジで悪くないので。

この場合はもう本当にタイミングが悪かっただけだと割り切り、描こうと思っていた作品は他の雑誌に持って行きましょう。

4.担当編集の意向にそぐわないだけ

担当編集については以下の記事で詳しく書いています。
>担当編集は選べる?どうしても変えたい場合は?

編集部全体の意向ではなく、担当編集個人の意向にそぐわないパターンもあります。

担当編集は、編集部と漫画家の架け橋的存在です。担当編集が編集部へと上げてくれない限り、掲載には至りません。

そして「担当編集個人の意向が、全く反映されない」なんてことはありません。

担当編集もひとりの人間です。担当編集ひとりひとり、どうしても異なった考えや趣味嗜好があります。

例えば「極端に担当編集と笑いのツボが異なる」という場合、こちらが面白いと思っても担当には響かない。同様に担当が面白いと思ってもこちらに響かないということになります。こればかりは本当に相性の問題です。

漫画家の意向に譲歩を見せてくれる担当編集であればいいのですが、全く譲らない担当編集も存在します。

この場合、担当編集の意向にばかり寄り添うことになるため、続けていくのはかなり厳しいです。仕事と割り切っていても、精神的に相当キツいと思います。

担当編集を変えることは出来なくはないですが、難易度が高いです。なので、トレンドやニーズの問題ではなく、編集部の意向でもない。単に担当編集の意向を押しつけられると言った場合は、別の雑誌や出版社への移動をオススメします。

とはいえ、趣味嗜好が合わないからと、担当編集の意向全てを拒絶するのは現実的ではありません。自分が気づかなかっただけで、担当編集の言い分が正しいというケースもあります。

全てを押しつけてこられるような場合を除き、漫画家側もある程度は柔軟な姿勢を心がけましょう。

ダメ出しの見極め方

ダメ出しにも上記のように様々なパターンがあります。「今のトレンドとニーズ」が理由の場合もあれば、「編集部の意向」そして「担当編集の意向」の場合。単に自分の実力不足の時だってあります。

今回のダメ出しはどれに該当するのだろうと悩む場合、直接担当編集に聞いてしまうのも手ですが、貰った返答が本当にそうなのかの判断が難しいこともあります。

本当は担当編集個人の意向なのに、編集部全体の意向っぽい言い分をされたら、こちらでは判断が出来ません。

個人的なオススメは、複数の出版社とやり取りをすること。

複数の出版社とやり取りをしていると、「今のトレンドとニーズ」については共通項が見えてきます。

編集部の意向も、基本的には「今のトレンドとニーズ」を元に判断されることが多いです。その辺りを見聞きしていれば、「これは担当編集の個人的な意見だな」というものもある程度わかってきます。

そうして総合的に判断していくと、最初は「納得出来ないダメ出し」だった問題も、「確かに、今のトレンド的にこうした方が読者が喜んでくれる可能性が高い」と「納得出来るダメ出し」に変わっていくこともあります。

この「読者を喜ばせること」をメインにする思考は、商業作品を描いていく上で非常に大事です。

描きたいものを描くのも大切です。出来ることなら描きたいことを描いていきたいところですが、読者がいなければ、商業作品として成り立ちません。

「描きたいもの」と「読者の求めるもの」の両立を考えていくという視点を持てば、ダメ出しに対する苦手意識も、いくらか和らぐ──

……ような気がします。

そうは言っても、ダメ出しされたらやっぱり落ち込むもんね。

それは本当にそう。

そして、ごく稀ではありますが、トレンドや編集部の意向関係なく「とにかくダメ出しすることが正義」という考えの編集者も残念ながら存在します。これは漫画家以外の職業でも遭遇することがあると思います。本当にやばいと思ったら無理せず距離を置きましょう。

また、ダメ出しの中でも「コマ割りをもう少し勉強しましょう」や「絵柄を安定させましょう」などの漫画家の技量について、もし複数の出版社で同じ指摘をされるようであれば、それは明確なウィークポイントです。

苦手を伸ばすより得意を伸ばす方が良いという側面もありますが、あまり指摘されるようなら、一度水準を上げる努力をしてみましょう。

ある程度苦手を克服出来れば、その弱点の指摘をされることもなくなります。

まとめ

この記事では、「作品のダメ出しをされた時の心の折り合いのつけ方」について解説いたしました。

ダメ出しはされて当たり前であり、そして落ち込むのも仕方ないと最初からある程度割り切っておく。もしそれでもどうしても凹むという場合は、この記事でお伝えした考え方や行動を、ダメ元でもいいので実践してみてください。

この記事が少しでもお役に立てたのなら幸いです。

当ブログでは引き続き、管理人の経験を元に、漫画家に対する疑問などをお答えしていきたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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